日本の花火産業の動向
投稿日:2020/06/10
一般社団法人日本煙火協会のWebサイトによれば2020年6月上旬時点で、打上花火の製造を行う煙火店は127事業者が登録されています。この127事業者は、都道府県別では長野県が最も多く、続いて愛知県、秋田県、埼玉県、茨城県、静岡県に多く分布しています。これは江戸時代からの歴史的な経緯によるもので、これらの地域には大規模な花火大会も多くあります。
都道府県別の煙火店数
下のグラフは日本の煙火事業所数と出荷額、付加価値額の推移です。ここでいう煙火事業所数は、従業員数が4人以上の事業所を指します。また付加価値額とは、事業活動によって生み出された価値を示したもので、利益とほぼ同じ意味に扱われます。事業所数は漸減傾向、出荷額は上昇傾向、付加価値額は漸減傾向です。
日本の花火輸出は、増えていますが、大幅な輸入超過です。国産製造品出荷額に対する輸入額の割合は10%~20%で、漸減傾向です。国内で生産された花火はほとんどが国内で消費され、加えて輸入花火が消費されています。
日本から外国に輸出される花火の単価は、2019年は4.517(千円/kg)です。輸出先国別ではタイ、シンガポール、サウジアラビアへの単価が高くなっています。日本に輸入される花火の単価は、2019年は、玩具花火が0.481(千円/kg)、打ち上げ花火は1.217(千円/kg)です。大半を占める中国製の花火はそれぞれ0.476円(千円/kg)、0.746(千円/kg)で安さが特徴的ですが、アメリカ製の花火は16.5(千円/kg)で日本の輸出単価よりも高いです。